自分でできる働き方改革

元公務員Rinのブログ

公務員のデメリット5選

 
実際に公務員として働いてみて感じたデメリットを5つ選んでみた

前回のブログで、公務員のメリットを5つ紹介しました。今回は逆に、私がデメリットとして感じたことを5つ紹介します。

デメリット1<柔軟性に欠ける>

お堅い仕事ゆえ、仕事のやり方に柔軟性が欠けることがあります。
・法令順守を徹底するあまり、効率の悪いやり方になってしまう。
・データが消える事を恐れ、IT化が進まない。書類至上主義になる。
あたりが、実際に働いてみて感じたことです。

保守的な職場が多い故、柔軟性に欠ける仕事の仕方になりがちです。
柔軟性に欠ける方法で仕事をしていると、仕事の効率が下がることがあります。
また、前例のないことが起こると迅速に対応できない傾向もあります。


デメリット2<困った職員もクビにならない>

公務員のメリットの1つである「クビにならない」ですが、裏を返せば「困った職員がいてもクビにならない」ということになります。

仕事を覚えない部下、偏ったやり方や仕事を押し付ける同僚、パワハラ気味の上司……そういった困った職員がいても、クビになりません。自分がクビにならない代わりに、困った職員ともうまく付き合っていかないといけないことになります。

いわゆる「職場の困った職員」はクビにならない代わりに、異動回数が多くなりがちです。おそらく、一つの部署に長くいると他の職員が疲弊してしまうからと思われます。
また、そういった職員は、仕事量が少ないいわゆる「楽な部署」に配属されがちになります。
また「上司には優秀な人をつける」といった人事も、よくある対策方法としてとられています。優秀が上司がその職員のフォローに追われる場面をよく見かけました。

そのため、公務員として働くには、こういった「職場の困った職員」と長く付き合う覚悟が必要となります。そういった職員との付き合い方をスキルとして身に着けておくのも良いと思います。


デメリット3<異動が多い>

公務員の職場が異動が多い傾向にあります。
自治体や職種にもよりますが、私が働いていた自治体では2~3年に一度異動がありました。所長級等の上の役職になると、1~2年で異動がありました。

他の自治体に就職した公務員仲間に話を聞くと「うちは5年が目安」という人も数人いました。大体5年以内に異動があるところが多いようです。

異動が多いことはメリットにもなりえるのですが、デメリットとも取れます。
異動の度にしなくてはいけないこととしては、①新しい人間関係を作る ②新しい仕事を覚える ③引継ぎ ④新しい職場環境になれる ⑤場合によっては転居 が挙げられます。
こういったことが定期的に必要になってきます。高い適応力が求められます。


デメリット4<世間からの風当たりが厳しい>
公務員は国民の税金でお給料をもらっているということから、世間からの風当たりが厳しいです。経済面の不安、税金の負担への不満の矛先は、末端の公務員に向けられやすいです。

仕事上でのクレームも多いです。私は仕事上のクレームについては、相手の話を聴きながら「何について不満や怒りを感じているのか」をしっかり見極めることを大切にしていました。経験上、以下のような内容に分かれることが多いように感じました。

①職員側の不手際がある場合
正当なクレームです。
こちら側の対応に落ち度があったパターンになります。
謝罪とともに迅速で誠実な対応が求められます。対応について迷うことがあれば上司の判断をあおぐようにしていました。

②困りごとを怒りという形で表現している場合
生活上困りごとを抱えており、それが解決できず、公務員への不満・怒りになっている場合もあります。
怒りの元にある「困りごと」を見極め、怒りがある程度収まったタイミングで、こちらのできる解決策を提示するようにしていました。他部署や他機関に連絡し、紹介することもありました。
実際には現状では解決出来ない内容のこともあったりするのですが、それでも誠実に対応する必要が出てきます。希望のサービスを提供できない理由を丁寧に説明すること、その上で負担軽減のためにできることを探す姿勢が大切になってきます。
誠実な対応をしなければ、新たなクレームになってしまうことになってしまいます。

③単にストレスをぶつけている場合
残念ながら、こういったパターンもあります。話を聴いていてもクレームの原因がはっきりしないことが特徴です。単に「公務員が気に入らない」「日頃のストレス発散の場として職員を攻撃している」といった方もいます。

上司の考え方にもより難しいところではありますが、個人的には「ある程度話を聴いたら短時間で切り上げる」ようにしていました。長時間こういった対応に時間を割いていると、本来業務に影響を及ぼすことになります。

私がよく使っていた方法は「怒りを受け止める姿勢を見せる→意見を受け止め、今後の対応に活かす旨伝える。不快な思いをさせていることについては謝罪→次のお客さんとの予約があると言い切り上げる」という方法でした。

私のこの姿勢については、上司によって賛否両論でした。本来業務のために効率を求める私と、最後まで相手の話を聴かない姿を公務員の在り方としてどうなのか?という上司とでぶつかることもありました。
対応に困った際は、上司と相談した上で対応した方が無難ではあると思います。

プライベートの場面でも、職業を言った途端に批判を受けることがあります。
このように公務員は、世間からの常に厳しい目で見られることになります。
そういった意味では精神的なストレスをため込みやすい環境と思います。


デメリット5<副業禁止>

国は副業解禁を推奨していますが、現状では正社員は副業禁止の職場がまだ多いのではないでしょうか。民間のサラリーマンも副業禁止の会社は多いですが、公務員の場合はより厳格になります。それは、公務員法で決まっているからです。地方公務員の場合は以下の内容になります。

地方公務員法・第38条 
第一項
職員は,任命権者の許可を受けなければ,営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては,地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね,若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み,又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

つまり、基本的には副業禁止。例外として許可を得られた場合のみ可能。ということになります。
もらっているお給料で生活が成り立つ人はよいのですが、決まったお給料のみでは苦しい、という人にとっては頭の痛い問題です。
公務員のお給料は安定しているので平均的な生活はできるのですが「子どもの教育費にお金をかけたい」「家族の介護でお金がかかる」など、家庭の事情によっては苦しくなることもあります。

私が一番困ったのは休職中の生活でした。休職中は何割か手当が出るのですが、その金額の中で生活費+治療費を出すのに苦戦をしました。
休職中であっても公務員の身分であるため、副業は当然禁止になります。

また、副業禁止によるデメリットは金銭面だけではありません。副業ができないということは、今の職場以外での仕事のスキルを身に着けられない、ということです。
最初の就職先で定年退職まで勤める人が減少している中、スキルが限定されるということはリスクが大きいとも言えます。


以上、公務員のデメリットを5つ紹介しました。
公務員には大きなメリットもありますが、その反面、紹介したようなデメリットが存在すると、実際に仕事をしてみて感じました。

紹介したデメリットの内容は、入職当初はそこまで大きく感じませんでした。ですが、勤続年数があがるにつれて徐々に痛感するようになりました。
大きなメリットがある代わりに、じわじわと真綿で首を絞められるような感覚がありました。

私自身は、公務員の仕事を良いとも悪いとも評価するつもりはありません。
他の仕事と同じように、メリットがあるのと同等のデメリットが確かに存在すると感じています。ただ、これから公務員になる人には、そういった両面を理解した上で目指してもらいたいと思っています。
「楽そうだから」「お給料が安定しているから」という理由だけで就職をするのはおすすめしません。

シビアな内容になってしまいましたが、この記事が少しでも、公務員を目指す方の参考になれば幸いです。

ではまた!

by Rin♡